2007/02/24

勝利の方程式

Vistaのマーケティングに透けて見えるMicrosoftのジレンマ
筆者は、この連載でたびたび取り上げているが、デジタルやITの世界で“勝利の方程式”があるとすれば、それはこの“エコシステム”を作り上げることだと思っている。市場経済で、成長し続ける市場を作り上げるために何よりも重要なことは、お金を循環させることだ。それは経済学のイロハだと言ってよいが、デジタルの世界でもそれは何も変わりはない。
お金を循環させる(一度つかまえたら二度、三度おいしい)仕組み、つまり周辺業界まで巻き込んだ市場全体のエコシステムをどう構築できるかが勝負どころ、ってことか。
●Microsoftを脅かすGoogleの広告収益型ソフトウェア
たとえば、こんなストーリーはどうだろうか。Appleの次期OS“Leopard” が出た暁には、現行のMac OSを標準PC用に修正してGoogle OSとしてフリーOS(実際には広告から収益を得るソフトウェア)として公開する。Appleにとっては先進のOSを使うにはAppleのハードウェアを購入してもらうというプレミアムを持たせながら、古いMac OSはGoogleからダウンロードされるたびにGoogleから売り上げがあがるというメリットがある(かつMac OSユーザーが増える)。Googleの側は、自社のOSとプラットフォームを得るというメリットがある。
もちろん、この話は空想に過ぎないし、現実に至るには乗り越えるハードルは低くないと思うが、仮に現実になれば、Microsoftの源泉徴収モデルを脅かし、もしかするとパラダイムシフトが起こる可能性があるとは思えないだろうか。

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